Phantasy Garden

「無理ですよ、先輩! こんな短い期間でこの仕様を満たせるものが作れるわけなんかないじゃないですか! なんでこんな仕事ばっかりなんです!?」
「……いいか、これは作れる、作れないの話をしているんじゃないんだ」
「……は?」
「作れ、といっているんだ。可能か不可能かなぞ聞いていない」
「そ、そんな無茶な……。三週間じゃ、この仕様の半分も……」
「作るからには、ちゃんとしたものを作るべきだ。勿論、デバッグなども済ませてな」
「…………」
「なんだ、何かいいたいことがあるのか。それならはっきり言え」
「……それじゃいわせてもらいますけど、この案件は明らかにおかしいじゃないですか。しかも今回に限ったことでもなく、むしろ毎回毎回こんなのばっかり! 僕はうんざりなんですよ! もう一週間以上、自宅に帰ってないんですよ!」
「……それが俺たちの宿命なんだ。俺ももう、一ヶ月は帰っていないんだ。この会社にいる限り、安い給料でこき使われるんだ……」
「うぅ……。僕たちって虫けらだ……」

半分冗談、半分本気。世の中には、こういった世界もあるのですよ……。

六月中になんとか停滞していることを終わらせないと、次のステップに進めない罠。

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